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中山美穂さんの離婚騒動から見る親権取得の変化

 子どもがいる夫婦が離婚する場合、子どもの親権も争点の一つになります。
 子どもの親権は母親が取得することが多いのですが、最近では少しずつですがその傾向が変化してきています。
 芸能人の離婚のケースにおいても、男性が親権を取得するケースが多くなっているようです。最近で有名な方では中山美穂さんがそうです。これを題材にして親権争いを巡る法律関係について解説していきます。

中山美穂さんの離婚ケース
 2014年7月8日中山美穂さんと辻仁成さんが離婚を発表しました。
 子どもの親権は母親である中山美穂さんではなく、父親である辻仁成さんが取得したことが話題となりました。
 発表によれば、

・中山美穂さんが親権を手放すことを認めたこと
・それが子どもの意思であったこと

 ということだそうです。

 中山美穂さんは、結婚後は、芸能界からいったん離れ、雑誌などで、子どもとの生活ぶりを連載するなど、ママ業をしっかりこなしている印象でしたので、中山美穂さんが親権を手放したということは、かなり意外でした。
 別居報道が出た以降の、中山美穂さんの交際報道、辻仁成さんの離婚に対するコメントからしますと、この合意に至った背景には、中山美穂さんが離婚を強く希望していたが、辻さんが離婚に応じなかったという事情があったと考えます。

 辻さんが離婚を拒否した理由としては、本心として親権を本当に望んでいる場合と、離婚を免れたい為に中山さんがのみそうも無い条件(今回は親権)を提案したら案外に条件をのまれてしまったということが考えられます。
 中山・辻夫妻のケースでは、当事者の合意によって親権者が決まりましたが、裁判で親権者が争いになった場合には、どのような基準で親権者がきまるのでしょうか。

親権はどのような基準で決まるのか
 一番大きい要素は、「監護の継続性」です。子どもの環境が出来るだけ変わらないことが重視されますので、子どもと生活を過ごす時間が一番多いのは誰だったかで決まります。離婚するにあたりどちらが悪いか、良い人かどうか等は関係ありません。

 不倫した事実は親権に直接的な影響はないのですが、今後一緒に住むのであれば不倫相手と子どもの関係等は考慮されます。
 15歳以上の子供の親権は、子供の意思で決まることが法律上定められています。それに加え、10歳以上の子供については、家庭裁判所は子供の意向を聞く事になっています。
 かつては、親権は母親が取得するケースが多かったのですが、最近では父親が得る場合も増えて来ており、父親のほうが経済的に裕福で子どもの将来を考え親権を手放す場合や、子どもがある程度大きいと自由に会うことが出来るので双方納得をしたうえで父親に親権を譲る方もいます。
 それでは、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。

男性が親権を取得するケースが多くなった背景
・以前より男性が育児に参加をするようになった
 育児参加をすることで子どもに対する愛情がさらに芽生え、手放したくないと言う気持ちが強くなったのではないかと思われます。親権取得の際に「子どもを継続的に育ててきていた」という事情も認められやすくなったことも要因の一つです。
・幸せの基準が仕事から家庭へシフトしてきている
 仕事で認められることがほぼ男性の唯一の幸せであるという昔の固定概念から、家庭生活を重視する世の中へと概念が変わり、子どもと一緒に暮らしたいという希望により親権を争う父親が増えてきています。
・面接交渉が実施されないことへの不安
 親権を手放してしまうと、その後妻が子どもを会わせてくれないのではないかという不安により、親権を争う方もいます。

実際に父親が親権を取得した事例
(事例1)夫の実家に夫婦子供で住んでいたところ、妻の浮気が発覚し、妻が家を出て行く。その後、裁判中も父親とその両親の協力で子供を問題なく育て、それまでの子育てについては母親には負けるが、携わっていた実績を立証し、判決で親権を取得。

(事例2) 別居した際、妻が一時的に実家に帰り、そのタイミングで夫から離婚の申し出。妻の方が別居中妻側で育てるべきだという家庭裁判所の手続き(監護者指定といいます)を開始。監護者指定の手続きにおいて、それまでも父親が育児に参加していた上、父親の家族と同居してその助けを受けていたこと、今後も同じ環境で子供を育てられる事、今の育児環境に問題が無い事が認定され、子供を父親が育てるという指定がされ、その結果妻が親権を諦めて合意で離婚成立。

 このように、父親に親権が渡るケースも最近では珍しくないことです。
 逆に女性が親権を手放すケースも少しずつですが増えてきています。

女性が親権を手放す背景
・女性の社会進出
 男性が仕事から家庭にシフトするのとは逆に女性が社会進出をすることにより、子どもとの生活よりも仕事を選ぶ方が増えてきています。
・新しい人生を
 新たな出会いにより再び結婚願望が芽生えても、子どもがいると結婚することに躊躇してしまします。そのため、親権を手放す方もいます。例え親権を手放しても面会等で子どもと会えるという思いからではないでしょうか。

 親権問題について、確かに母親が親権を手放すケースが増えつつありますが、母親が親権を取得するケースは依然として多いです。
 そこに、父親も親権を主張するケースが増えてきていることから、親権争いが生じる事が多くなっています。
 当事務所では、親権問題について数多く取り扱っております。
 特に親権問題については、それまでの育児の継続性が問題となることから、別居前に相談することが有用です。
 争いが激化する前に一度ご相談ください。

 なお、余談ですが、中山・辻夫婦の件では親権者を子供に選ばせ、かつそれをわざわざ発表するという点で特徴的です。まだ子供が10歳であれば、通常はどちらが良いかを親が話し合って子供に説明することが多いです。
 親権者を子供に選ばせたということは、子供に親権者を選ばせるという精神的負担を課すことになります。
 加えて、それを世間に発表するということは、周囲から様々な意見を受けることになり、さらに子供の精神的負担を増す事になります。

 しかし、中山・辻夫妻のケースでは、辻仁成さんが、親権のことは子どもの意思であることをわざわざ発表しています。
 この背景には、離婚原因について、一般に言われていたような辻仁成さんの中性化が悪いのではなく、中山美穂さんが家庭から離れて行ったのが悪いという印象を与えたいという辻仁成さんの狙いが見て取れます。
 ちょうど同時期に中山美穂さんのお泊りデート報道が出たこととも関係がある印象をうけます。

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