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高嶋さんと美元さんの離婚判決について

高嶋さんと美元さんの離婚訴訟の判決期日が平成24年11月9日午後1時半、東京家庭裁判所で開かれました。

家庭裁判所の事件ではきわめて珍しい傍聴券が配布されたようです。

この訴訟に関しては、各種メディアで、争点や判決の予想をさせていただきましたので、判決の行方を注目しておりました。

第一審の判決主文は、「原告と被告とを離婚する」ということで、高嶋さんが勝訴しました。
その理由は、
①高嶋夫妻の夫婦関係が破綻していること、
②離婚に至った原因が高嶋さんの方にだけあるわけではない、というものでした。
具体的にどういった事実が認定されたか、そしてその事実をどう評価したかについては、判決文には記載がされておりますが、法廷では読み上げられず、当事者のみが知るところとなります。

当事務所としての見解は、「高嶋さん勝訴」の予測でしたので、無事に判決予測を的中させたということになります。

テレビや雑誌などの報道を見ていますと、弁護士の多勢は、高嶋さん敗訴との見立てでしたので、当事務所の見解は少数派と取り上げられたようですが、適切な予測をすることができました。

弁護士の判決の結論予測が、二分してしまった理由は、現在の裁判実務の取扱件数の多さによるものと思われます。

テレビで高嶋敗訴のコメントを述べられた弁護士の先生方(主な方は、大澤孝征弁護士、住田裕子弁護士、八代英輝弁護士、萩谷麻衣子弁護士など)は、別居期間が5年以上必要であるという見解を元に、今回は、それに満たないので離婚ができないと述べている方が多かったように思います。 また、高嶋さんの主張する離婚理由が弱いという点も指摘されていました。

しかし、現在の離婚裁判において、裁判官は、一方に暴力、不倫などわかりやすい離婚理由がない場合に、「3年以上の別居が必要である」と口々にしています。
当事務所を立ち上げた当時は、確かに5年、7年の別居が必要であると言われておりましたが、ここ数年、裁判実務が変わってきて、別居期間についても3年以上とさらに短くなっている傾向にあります。 短くなっている背景には、長期の別居が必要な一番の理由が、女性の経済的自立が進んでいない状況で、何の準備もなく離婚をさせてしまうと、経済的困窮に陥るという点であると考えられます。
加えて、一方がやり直せないといい、別居までしているのに、やり直しの可能性もないまま5年も別居を続けることに当事者にとってもメリットがないこと、社会が離婚に寛容になったことなどもあげられます。 今後、離婚が増え、女性の経済的自立が増加してきますと、さらに別居期間の減少傾向が見られると考えています。

今回の高嶋さんと美元さんの裁判の特徴として、双方の事実、証拠の主張が弱いという点がありました。この点については他の弁護士の方も高嶋さん敗訴の理由として指摘しておりましたが、
高嶋さんが主張する
1、 ストーカー事件
2、 生ゴミ事件
3、 高額生活費の要求
などは、どの事実が認められても、離婚理由とはならない弱い主張であったと思います。

本来であれば、弁護士が、このような事実を依頼者から聞き取り、なぜこれが嫌になったのかという高嶋さんの心の奥底にある心境の変化を聴取すれば、もっと良き事情が引き出せたかもしれません。
離婚裁判における弁護士の役割は、依頼者が今まで抱えてきた不満や些末な愚痴を、それが裁判で重要であるか否かにかかわらず出来るだけ聞き出し、それを法律上の離婚原因としていかに裁判官に対してプレゼンするかというところにかかっています。 単なる不満や愚痴を訴状にあげつらったとしても、なぜこの依頼者が離婚しなくてはならないほど追い詰められたのかについて裁判官にアピールすることはできません。なぜなら、そもそも、夫婦における不満というのは、他人からすれば取るに足らない些細なものばかりで、当事者でない者からしたら、「そんなこと我慢すればいい」と一蹴されてしまうようなものだからです。 しかし、本当は些細な不満の積み重ねが募り、限界が訪れるというのが現実の夫婦生活です。 そこで、裁判官に「もう話し合っても無理である」ということもアピールする必要があります。

一方で、美元さんの主張は
1、 高嶋さんの主張する事実は否定して、婚姻関係が破綻していないこと(まだやり直せる)を主張し
2、 仮に婚姻関係が破綻していたと認めたれた場合に備えて、防御的に高嶋さんの暴力(DV)の主張をしていました。

美元さんのやっている立証活動が一般の方からすると矛盾するように思えるため、なぜ、美元さんは、やり直したいと言っているのに、夫の暴力があったと主張するのでしょうかという問い合わせを多数いただきました。

簡単に説明をしますと、高嶋さんが勝訴するためには、以下の表の流れをすべてクリアする必要があります。

今回の争点

今回の争点は1、高嶋夫妻の夫婦関係が破綻したか、2、高嶋さんが有責配偶者かという2点になります。
それぞれの争点を裏付けるため、仲が悪かった、悪くなかったという主張(争点1について)、高嶋さんのDV疑惑(争点2)を主張しており、美元さんが争点1の防御のために仲がよかった、まだやり直せるという主張をし、争点2のために高嶋さんのDVを主張することは、訴訟上何ら矛盾しない行動です。

今回の判決は争点1、争点2についていずれも高嶋さんの主張を認めて、高嶋さん勝訴の判決を下しました。
その理由が、小林愛子裁判官が述べた「婚姻関係は修復不可能であり、破綻していると言わざるを得ない。婚姻を継続し難い重大な事情があると認められる」(争点1について)、「破綻の責任がもっぱら高嶋さんにあるとは言えない」(争点2)と認定した内容になります。

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